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250513


時折、カサンドラ症候群(※)に陥っている方からのご相談をお受けすることがあります。


相談者様を、仮にAさんとしましょう。

Aさんは、結婚が整ってひと安心と思ったのも束の間、パートナーとの生活に、だんだん違和感を覚えるようになりました。


それは、このように感じる場面が多くなったためです。


「夫とは言葉が通じない・・・」
「一切話を聞いてもらえない・・・」
「善意で行ったことが、なぜか悪意に取られてしまう・・・」
「ひどい言葉を浴びせられる・・・」
「人前で平気で恥をかかせられる・・・」
「いつも責任を押し付けられてしまう・・・」



Aさんは、パートナーとの情緒的な交流ができないことに戸惑い、また相手の言動や行動を理不尽に思いながらも、「自分がいけないのでは・・・」と、自分を責めるようになります。


パートナーは頑としてAさんに、

「自分の方が正しい」
「君が間違っている」

と、冷たい眼差しを向け、責め立ててくるので、いつしか、判断力が鈍るようになりました。



そして、こう感じるようになっていきます。

「私には愛され、受け入れられる価値がない・・・」
「私がいつも我慢しなければならない・・・」
「自分を素直に表現してはいけない・・・」
「自分らしさを出すと否定されてしまう・・・」
「自分の欲求は認めてもらえない・・・」
「誰にもわかってもらえない・・・」



Aさんは、パートナーの機嫌を取るため、いつもびくびくと反応し、自分の感情を押し殺し、思考をストップさせるようになりました。


やがて、Aさんは気分や体調がすぐれなくなり、不定愁訴に悩まされるようになります。

訳もなく疲れやすくなり、眠りも浅く、いつも頭が重くぼーっとします。

また、婦人科系も思わしくなく、微熱が続くようになりました。
食欲も、うまくコントロールができません。


ストレス解消法も試してみたのですが、症状は改善せず、「少しうつ気味かもしれない・・・」と感じるようになります。


Aさんは思い切って、メンタルクリニックの門を叩くことにしました。

そこで初めて、「もしかすると、夫は特徴的な脳の持ち主かもしれない・・・」と知らされることになったのです。



※ カサンドラ症候群とは

「カサンドラ症候群;カサンドラ情動剥奪障害」とは、アスペルガー症候群(AS)の夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉である。
(Wikipediaより抜粋)


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