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私たちは、自分が欲しいものを、つい相手に求めてしまうことがありますね。


具体的に、Aさんの例をとってみましょう。



Aさんは、自分の手に負えない仕事があり、

「悪いけれど、手伝ってもらえますか?」と、

Bさんにお願いしました。


人の好いBさんは、その時たまたま手が空いていたこともあり、快く手伝ってくれました。


Bさんは、Aさんの愚痴にも付き合い、いろいろと気遣ってくれるので、Aさんは、すっかり気を良くしてしまいました。



すると、また次にAさんの仕事が溜まった時に、

「手伝ってもらえますか?」と、

Bさんにお願いします。


Bさんは、困ったなと思いながらも、断り切れずに手伝ってくれます。


Aさんが、さらに個人的な悩みも打ち明けると、Bさんは、親身になって聞いてくれました。



すると、Aさんは次も、またその次も、Bさんにお願いしてしまいます。

もちろん、悩み相談つきです。(笑)



Aさんの心の中には、

「これくらいいいだろう」

「Bさんなら、引き受けてくれるだろう」


という思いが、だんだん膨らんでいきます。


そして、Bさんの気持ちや都合には、無頓着になっていきました。



一方Bさんは、

「またAさんに頼まれたらどうしよう・・・」と、

一人で悩みを抱えていきます。


Bさんなりに1、2度勇気を出して、断ってみたのですが、Aさんはしばらくすると、またけろりとして、お願いを持ってくるのです。



・・・これは、どういうことかというと、Aさんが自分の荷物を、Bさんに半分持ってもらっている状態です。


Aさんには荷物が軽くなった気がしますが、荷物全体の量は変わっておらず、Bさんに負担をかけている状況です。


Bさんには、Bさんの荷物もありますので、このままでは、Bさんが潰れてしまうのは明らかといえるでしょう。


そして、Aさんは一見、荷物が軽くなったように見えるのですが、エネルギー的に見ると、相手に負債を負っている状況ですので、いずれ利子がついて自分に返ってくることになります。



「これくらいいいだろう」

という、ほんの少し甘えから始まった気持ちがいつの間にか膨らんでいくと、それは、未来の自分に戻ってくることになります。



これは、恋愛や親子関係を含め、あらゆる人間関係にいえることです。

過剰に相手に求めると、結果的に自分が損をしてしまうことになります。



逆に、独力で乗り越えようとしていると、頼まなくても、誰かが自然に手を貸してくれたり、自然に状況が良くなることがあるものです。



私自身、さまざまな方のご相談を伺っていて、このからくりが起こっていることに気づくことがありました。


「いつも大切なものを他人に奪われてしまう・・・」


「大事な思い出の品をなくしてしまった・・・」


「不慮の事態が起こって、

補償金を支払うことになりました・・・」



・・・などなど、一見大きな犠牲を払うような出来事が起こる場合があります。



ですが、よくよくふり返ってみると、じつはその方自身がこれまで周囲に求め続けていたことと、プラスマイナスでゼロになっていた・・・、ということもあるのですね。


ちょっとしたルール違反、ちょっとしたエチケット違反が招いた不公平は、後から自分にちゃんと請求書が届くのです。



この世は、全て公平に因果の法則が貫かれています。

大きな目で見ると、全てが相殺(そうさい)されるのです。



だからこそ、

「求めないのが得」

「与えるのが徳」


といえるのですね。



こちらも、自分を愛する・自尊心を高めるためのヒントになさっていただけると幸いです。



そして、Bさんのような立場になりやすい方は、こちらもご覧になってみてくださいね。

→ 自分を愛する方法 ~被害者意識を手放すには?


→ 「自尊心を高める方法・自分を愛する方法」についてはこちら